空色は何故地域によって七変化するのか?(集光率に纏わる話し)
空の色彩の謎
つい近々にあった話しなのですが、東京のとある場所で五重の塔を撮影した時の事です。「空は西日で超ハイキーに。五重の塔は影って超アンダーに。」
(注:この解説にはイヤでも2500文字程度の長文になりますから、知りたい方は心して読んでみてください。でも絶対にわかると思いますけどね(笑))
当然、現像時にバランス取れるよう中間に測光を合わせました。
で、空はまだハイキーですから光度を下げる。
「ねぇ。空色不自然に「し過ぎ」じゃない?そんな紫っぽくならないでしょ。東京は」
お仲間さんのそんな言葉からのスタートです。
「え?だって自分、光量抑えただけッスよ。ホワイトバランスもあってるし。まぁこの時の時間帯からして既に紫は入り込んでいてもおかしくはない時間帯ですからね。長野の安曇野だとこの時間帯ではこの色彩にはならんし、もっと平地よりも空色が青いし...」
「その理論が俺にゃわからん💧」
ってお話しになってですね。今回に至りました。
「だってそんな事言ったら深い井戸から空見上げたら昼間でも星見えますよ〜って話しは嘘話になっちゃうじゃないですか?」
お仲間さん
「ねぇ。それって本当に見えるの?」
自分
「見えます」(即答)←昔ボーリング(注:ボウリングではない)屋さんだった人
お仲間さん
「見たこと無いからその理論もわからん。」
そんなワケで実験しちゃいました(笑)
この様な状況で。
マニュアル設定で「絞り&シャッター固定の定点撮影」をして比較したら良いわけです。☝️
左は、まんま撮影。右は1mの煙突を着用し「1m分、周囲からの光源を遮蔽」してみる。
で、早速の結果はこちら。
丸の中が煙突からのそらいろです。
まんま二枚の写真を重ねて丸の中だけが「煙突から見える空色」になって居ます。
「ん〜。海ちゃ。違いがよ〜わからんのだが(苦笑)」
スポイトツールなどを用いてどれだけ違うのか抽出してみたら一発で解りますが
そんな方々の為に、では拡大して2枚横並べの比較を。
じゃじゃん!
左はまんまの空色。右側が1m煙突着用の空色。
「拡大してみたよ!」
の証拠として右画像右下には赤丸で囲った破片を付けておきました。(笑)
こうしてあげると「たったの1m」でどれ程明るさが絞られてしまうのかが
よ〜く分かったかと思われます。これが80m~100mの井戸内からだったら?
これ×100m分の光量ダウンとなるワケです。だからもっと暗くなり昼間でも星が見えてしまうワケで☝️
(井戸だから360°で100m分、光を遮る事が可能ですから)
この辺でボチボチ「安曇野の空色は何故深い青なのか?」を解説していきます。
安曇野は西山が3000m級の高い北アルプスに囲まれております。
当然ではありますが「その分、太陽からの光と乱反射」がなくなるわけで。
先ず最初に「何故空色は青なの?」について記載しないと分からなくなってしまいますからこの辺でその解説を☝️
太陽光は限り無く白に近しいくらいの眩しい光なので一見透明な明るい光線と感じます。が、光に透明はないです☝️(ここ重要)
この太陽光の中には青い光であったり黄色であったり赤色であったり
「いろんなベクトル(波長)の光が含まれている」のですね。
そして地球には「大気」ってもんがありますから「その大気中にある水分や塵に「短いベクトルの青色が乱反射を起こして居るので「地球は青かった!」になる」ワケでございます。
「え?そうなの?」
もっと違う物を考えてみましょう☝️
超曇天時に海の色は青く見えるでしょうか?
言わなくてもわかりますよね。青に見えるワケが無い。
だって「海水によって乱反射を起こし青に見えるだけの光量がない」のだから。
当然「怖いくらいの黒っぽい海」になるわけで☝️
「お〜!そっか!なるほどね!」
って感じたのでは?(^^)
「じゃぁさ〜赤とか紫って何なのよ?」
はい。次はそこですよね。
当然太陽光には先にも述べましたが「赤色のベクトル(波長)」も含まれているワケです。
でも日中に空色が赤に見える事はないですよね?
それは「赤色のベクトル(波長)は青と比べたらもの凄く長い波長(1.5倍〜2倍波長)」なので「青色より遥かに乱反射をおこし辛い」ので空色が日中だと赤色に見える事はないのです。
では何故夕方に赤く染まるのか?
それは日が傾き「日中よりもより多くの大気を通過して来る」ので「水分や塵の密度は変わらずとも、通過して来る道中での量は増える」事になるので
今までは乱反射を起こさなかった赤色の光線が「やっと乱反射を起こす」様になり
空は赤く染まる。ワケですよね☝️
そしてドンドン日が傾くと光量も低下するから「赤色から紫へと変化していく」わけで。
ここまでは夕暮れ時のお話し。
「じゃぁ日中15時くらいに写真で空色が紫っぽくなったのは何故?」
ここ重要。
恐らく同じ日の横浜だとか同じく平地の静岡だとかに比べたら、この両者の地域では空色はもっと水色になっています。(実際に比較したわけじゃないけど(笑))
その理由
「東京はその2ヶ所地域と比較したら「圧倒的に大気中の塵が多い」」わけであり
=赤い光も乱反射を起こしている
って図式になりますよね☝️
海に面した地域では「長野県の安曇野の近しいくらい余所よりは空色が青」になりますが(海水が光を透過吸収しているから「光量が低下」し空はより深い青になる)
同じ長野に近しい青でも空気が乾燥している安曇野とでは「青の質」も違ってくるわけで。
当然海面上なので安曇野より「遥かに大気中の水分量は多い」事になりますから
明るくて分からないだけですが、実は「赤色のベクトルも安曇野とは比にならない多さで拡散されている」事になります☝️
海に面している横浜と東京で比較をしたら「東京では横浜より更に大気中の塵が多い状況」となるので「もっと赤色光線は拡散されて隠れている」って事になります。
よって「光量を絞って行くと空色は横浜の空色より遥かに紫へとなりやすい」って事になるわけで。
余談ですが空気中の水分量が低い安曇野ですと光量を絞って行くと空色は黄色になって来ます。
何故なのか?
「赤色のベクトルより、黄色のベクトルの方が波長が短いので、安曇野みたいに空気は乾燥してるわ、山で光量は遮蔽されとるわな状態になると「安曇野は焼けて空色が赤になるだけの水分量がない時が大半なので、その手前である「黄色」の方が空色として現れる」
ってお話しです。それが「金色の空色」ですよね。
空色の実験解説をするにはイヤでも最低限このくらいの長文になってしまいますが
恐らく「なるほどね!」って事になったのではないでしょうか?(笑)
「何故空色は地域によって変わるの?」
ってお話しでした(^^)/